有料会員限定

「日立に負けず劣らず」東芝12万人社員の懐事情 実は日立の平均年収に東芝が追いついてきた

✎ 1〜 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 最新
拡大
縮小

企業業績が近年安定してきた東芝。社員の給与もしかりだ。

オフィス街のビジネスマン
上場企業の平均年間給与は605万円。東芝の給与水準は悪くない。写真と本文は直接関係ありません(撮影:今井康一)

特集「東芝の末路」の他の記事を読む

年間報酬が1億円を超えた東芝役員は2021年度で13人――。役員報酬でいわゆる「1億円プレーヤー」となった取締役や執行役の数は、2020年度の1人から一気に増えた。東芝の株価の上昇が業績連動部分に反映されたとはいえ、18人の日立製作所と遜色ないことに驚きだ。

東芝の綱川智前社長と日立の東原敏昭会長の報酬はともに約5億円だが、綱川氏が1500万円ほど上回る。2022年3月から東芝トップとなった島田太郎社長も、2月まで社長を務めていた東芝デジタルソリューションズの報酬だけで1億円。これに東芝執行役としての報酬を足した1.9億円は、日立の副社長クラスと肩を並べる。

実は社員の給与も日立に負けず劣らず。東芝社員の平均年収は892万円で、日立の896万円との差はわずか。平均年齢や残業時間の差を考慮する必要はありそうだが、この3年で日立の平均年収に東芝が追いついてきた格好だ。

次ページ役割給に「業績加算」と「個人加算」が上乗せ
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
東芝の末路
4陣営が残り、産業革新投資機構が有利とされるが
野心あふれる島田社長のビジョンは実現するか
経営の混乱には「もう慣れている」との声も
なぜ「非公開化」という選択肢が浮上したのか
混乱の始まりは5年前に行ったファイナンスだった
2021年に続き2年連続で後味の悪さが残る総会に
スポンサーはどんな「そろばん勘定」なのか
暗号通信を守る領域を念頭に事業進出もくろむ
各事業の成長性を「優」「良」「可」「不可」で採点
買収された先で安定した利益成長を続ける事例も
島田太郎社長「あとは株主の選択を待つ」
期待を寄せる新卒者採用にも異常の兆しがある
実は日立の平均年収に東芝が追いついてきた
多くの社員が「株高」の恩恵を受けている可能性も
日立と時価総額では約4兆円もの差がついている
東芝の非公開化に立ちはだかる「資金集め」の壁
銀行団は東芝社長の「島田ビジョン」に懐疑的
東芝の再建がじわり前進、一難去ってまた一難
非公開化に向けて銀行団の融資承認が下りたが
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内