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東芝、残された「非公開化」の選択に漂う不透明感 4陣営が残り、産業革新投資機構が有利とされるが

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東芝のスポンサー選考が佳境を迎えている。4陣営が資産査定を進めているが、いずれの提案も一長一短があり、展望が開けたわけではない。

東芝の行く末はまだ見えてこない(撮影:梅谷秀司)

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「今日も朝から大量の資料作りで大忙しでしたよ」。

今年7月末、東芝のあるベテラン社員はこうつぶやいた。この社員が言う「資料」とは、東芝に非公開化を提案しているファンドに対し、提出しなければならない説明資料のことだ。

現在、ファンドは東芝の企業価値を算定する「デューデリジェンス(投資対象の価値・リスク調査)」の真っ最中で、東芝に大量の質問を投げかけ、いくらで買うのが適切か品定めをしている。社員たちはこれに答えるためデータをかき集め、対応に当たっているのだ。

東芝の時価総額は8月8日時点で約2.3兆円。ファンドによる非公開化が実現すれば、国内では過去最大級の案件となる。それほど大きな金額が動くだけに、ファンドの目もより厳しい。前出の社員も「しばらくは本業ではない仕事に追われることになるでしょうね」とあきらめ顔。非公開化は東芝にとって非常事態だけに、現場を巻き込んでの大騒動となっているのだ。

「パンドラの箱」が開き、追い込まれた東芝

東芝の非公開化は、今から時計の針を戻すこと約1年半前、英ファンド・CVCキャピタル・パートナーズが東芝を買収した後に非公開化するという提案をしたことがきっかけだった。

東芝の株主にはアクティビスト(モノ言う株主)が多いため経営陣とたびたび対立、再建が前に進まなかった。そのため、非公開化によって株主との対立を解消し、事態の打開を図って再建を進める狙いがあった。

この提案は、途中で頓挫したものの、「パンドラの箱が開いた」(ファンド関係者)と言われている。これまで東芝の買収や非公開化など考えてもいなかったファンドたちが「買収できるんだ」と気付き、一斉に動き始めたからだ。

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