東芝の新任取締役候補に内部からは懸念の声が聞こえてくる。6月末に開かれる株主総会は波乱含みだ。
「10件も応募してくださった。当社の潜在的な価値に対して、大きく期待されていることをうれしく思う」。6月3日に東芝が開いたメディア合同インタビュー。その場で島田太郎社長は笑顔を見せた。
3月下旬の臨時株主総会で、半導体などのデバイス事業を分離する会社分割案が否決された。その後、東芝経営陣は5月30日を期限とし、株式の非公開化を含む経営再建策を「公募」するという異例の方法で、スポンサーを探してきた。
公募に応じて出された提案は島田社長が述べたように計10件。そのうち8件が非公開化を含む内容、2件が上場を維持したうえで資本業務提携を結ぶ、というものだった。
提案をしたスポンサー候補の名前は伏せられている。ただ、市場関係者の間ではCVCキャピタル・パートナーズ、ベインキャピタル、KKRとブラックストーンの連合といった海外ファンドの名前が浮上している。さらに国内勢の産業革新投資機構(JIC)も買収を検討しているもようだ。
島田社長は妙に自信ありげ
東芝経営陣はどの提案を選ぶのか。島田社長は、スポンサー選定協議の途中経過と同時に公表した、新たな「経営方針」に合う相手を選びたいようだ。
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