経営再建の進捗に自信を見せていた車谷社長が突如“辞任”。東芝はどこへ向かうのか。
巨額損失による経営危機を経て、「フェーズは完全に再建から成長に変わる」―ー。車谷社長の辞任が発表される2週間前、車谷氏は再建が完了したことを強調し、自信ありげにそう語っていた。社長交代の理由は、「就任時のミッションだった再建の完了」というのが本人の弁だが、あまりに唐突な「辞任劇」だけに、交代理由を額面通り受け取れるものではない。
辞任直前、車谷社長は東芝の未来をどう語っていたのか。一つ言えることは、「長く支えてくださる株主にご信任いただけるような仕事の仕方をしないといけない」と語った社長は今、経営メンバーにいない。
──3月に筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが提案した議案が賛成比率58%で可決されました。昨年の総会での株主への圧力、議決権行使の集計作業に不正がなかったかをめぐり、東芝側の調査を不十分と指摘し、株主選任の第三者が改めて調査します。どう受け止めていますか。
(賛成比率は)重い数字だと思っている。基本的に調査範囲をもう少し広げて、しっかりとした調査をしたほうがいいのではないかという株主からのご意見であり、真摯に受け止めている。東芝として何かを出したくないとか、そういう話ではない。調査にしっかり協力していく。
もっとも、東芝でもこれまでに外部弁護士を入れ、3万件に及ぶ電子メールなど、ものすごい勢いで調査した。調査の深さや正確性はしっかりしている。
株主との対話が足りないわけではない
──ではなぜ株主とここまでもめるのでしょうか。
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