「東芝分割」わずか3カ月で修正、実現に漂う暗雲 3分割から2分割案に、3月の臨時総会が焦点

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株主からの厳しい要求が相次ぐ中、方針変更を打ち出した東芝。しかし新たな分割案が計画通り前に進むかは不透明だ。

新たな分割案を提示したが、3月の臨時株主総会も波乱が想定される(撮影:今井康一)

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混乱は収まる気配が見えない。

会社分割(スピンオフ)を計画する東芝の臨時株主総会の日程が3月24日に決まった。2021年11月に公表した3分割案から2分割に変更。この方針について株主の“ご意見確認”をする会社提出議案のほか、大株主である3Dインベストメント・パートナーズが提案した定款変更などに関する2つの議案を審議する。

2月14日の決算会見で綱川智社長は「(東芝を)成長と進化につなげる絶好のチャンスと確信している。本戦略的再編が最善策と考えている」と、会社提案への賛成を呼びかけた。

株主還元は2000億円積み増し

2分割へと変更になったが、目指す方向性に大きな変化はない。ビジネスサイクルの長いエネルギー、インフラ関連と、機動的な設備投資が必要な半導体などのデバイス関連の事業を別会社とし、経営判断の合理化・迅速化を目指す。

3分割案では、半導体大手キオクシアホールディングスと、上場子会社である東芝テックの株式を保有する会社を「東芝」として存続させる方針としていた。しかし資産管理会社にすぎない東芝は、上場を維持できるか懸念がある。そのためこれらの株式は、インフラ関連を引き継ぐ会社が保有することとした。

アクティビスト(もの言う株主)から厳しい要求を突きつけられている東芝。今回の方針変更にも、株主への配慮が色濃くにじんだ。

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