3月24日に開催された株主総会では、東芝が掲げる会社分割案に加え、非公開化などを検討する株主提案まで否決された。
東芝の再建計画は、またもや白紙に戻った。
3月24日、東芝は同社が掲げる会社分割案の是非を問う臨時株主総会を開いた。だが、提案したHDD(ハードディスクドライブ)や半導体関連のデバイス部門を分離・上場させ、会社を2分割する案は、反対多数で否決された。
特筆すべきは、大株主の3Dインベストメント・パートナーズが提案した非公開化の積極検討を求める議案も否決されたことだ。会社と株主提案がいずれも否決される異例の事態を受けて、東芝の望ましい形はなにか、またしても宙に浮いた形だ。
ある東芝関係者は、「投資助言会社のISSが両方の議案に反対することを推奨したこともあり、今回のような結果になったのではないか」と推測する。
東芝の取締役会は株主総会後、「当社は、今回示された株主の皆様のご意見を踏まえ(中略)企業価値の向上のためあらゆる戦略的選択肢の検討を引き続き行ってまいります」との声明文を発表した。今後、取締役会や社外取締役で作る戦略委員会を中心に、経営方針を再検討することになる。
非上場化の再検討に現実味
もっとも、今回の議決に法的拘束力はないため、分割計画を再度提案することも可能だ。実際、取締役会議長の綱川智前社長は株主総会前に「(会社提案が否決された際)スピンオフ(会社分割)の内容を修正するのか、まったく別の選択肢を取るのか真摯に受け止めて検討したい」と説明していた。
これまで経営陣が一貫して否定してきた非公開化についても、もう一度検討せざるをえないのではと語る関係者もいる。
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