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東芝の取締役会で「同床異夢」が続く根本原因 2021年に続き2年連続で後味の悪さが残る総会に

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2022年6月の株主総会直後に社外取締役が辞任。ガバナンス問題は収まる気配がない。

社外取締役の綿引万里子氏と、指名委員会委員長のレイモンド・ゼイジ氏
綿引氏(右、写真:AFP=時事)はファンド出身の2人の選任への反対だけでなくゼイジ氏(左)への意見も表明。ガバナンス不全の懸念を指摘した

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東芝にとって6月は今年も「波乱の月」だった。6月28日に開催された定時株主総会。そこで諮られた社外取締役の選任議案をめぐって、取締役会の中から反対の声が噴出したのだ。

意見を発したのは社外取締役の綿引万里子氏。名古屋高等裁判所長官を務めた経歴を持つ法律の専門家だ。焦点となったのは、東芝の大株主であるファンドの出身の社外取締役候補者2人。米ファラロン・キャピタル・マネジメントの今井英次郎氏と、米エリオット・マネジメントのナビール・バンジー氏だった。

この2人を社外取締役の候補とする案に綿引氏が反対したことは、総会の招集通知に記された。異例の展開に会社側は、「13名の取締役候補者全員を提案・推奨している」というスタンスを貫く。

指名委員会委員長のレイモンド・ゼイジ氏が「2人は候補者として適格」と説明したり、綱川智前社長が取締役会議長としての声明文で「綿引氏の意見は個人的な見解」と切り捨てたりと、取締役会内の対立構造が浮き彫りになった。

総会直後に綿引氏が辞任

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