「核心技術」の自前化を急ぐ中国。日本企業は経済安保の渦中で苦悩する。

遼寧省瀋陽のロボット工場を視察する習近平国家主席(写真:新華社/アフロ)
毎年、8月上旬になると中国共産党最高幹部の動静は途絶える。河北省の避暑地で非公式に重要政策を議論する「北戴河会議」が開かれるためだ。
最高指導部人事を決めたとみられる今年の会議を終えた直後、習近平国家主席は遼寧省瀋陽の産業用ロボット工場を視察した。習氏は「自主創新(イノベーション)」の重要性を強調し、「寸暇を惜しんでチョークポイントを突破し、核心技術と設備製造業を手に入れなければならない」と述べた。
「チョークポイント」とは、中国が自前の技術を持っておらず西側の制裁などに対してサプライチェーン上の弱点となっている分野だ。その中には半導体製造装置や燃料電池材料など、日本企業が強みを持つ技術も少なくない。
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