米中発のリスクが暴発寸前、忍び寄る世界不況 「習近平3期目」「トランプ旋風再来」の大波乱
世界各国で大規模な金融緩和と財政出動が行われるなど、異例の政府対応が展開されたコロナ禍。そのスムーズな手仕舞いに失敗し、世界経済は今、危機の淵に立たされている。
波乱の中心は、世界の2大経済大国であるアメリカと中国だ。
10月24日発売の『週刊東洋経済』では、「米中大動乱」を特集。急変する両大国の政治・経済の最前線を追っている。
アメリカは現在、前年同期比8%強まで悪化した歴史的な物価高が収束に向かうか、拡大するかの瀬戸際にある。コロナ禍による供給制約や資源高で始まったインフレは、労働需給逼迫による賃金上昇の加速に発展し賃金・物価スパイラルによる「ホームメイド・インフレ」へ移行しかねない。そうなれば、物価高騰に歯止めがかからなくなる。
アメリカは他国を気遣う余裕がない
そのため、FRB(米連邦準備制度理事会)は異例の大幅利上げを繰り返し、意図的に景気を潰しにいっている。
11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、4会合連続となる0.75%の利上げ実施が濃厚。その後の利上げを含め、2023年第1四半期には政策金利は5%へ接近する見込みだ。わずか1年でゼロ%から5%へ跳ね上がるのは歴史的にもまれだ。
基軸通貨ドルの金利急上昇は、各国通貨の下落など国際金融市場の動揺を引き起こすが、今のアメリカは自国のインフレ退治に精いっぱいで他国を気遣う余裕がない。
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