米中発のリスクが暴発寸前、忍び寄る世界不況 「習近平3期目」「トランプ旋風再来」の大波乱

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ゼロコロナ政策への固執により、各地でロックダウン(都市封鎖)が行われ、不動産バブル崩壊の危機にも直面。中国政府は2022年の経済成長率目標を5.5%としていたが、IMF(国際通貨基金)の最新の予測では3.2%成長と失速は明らか。中国という牽引役の不在で、今後の世界的景気後退は大きな不況へと広がりかねない。

そこへ追い打ちをかけるのが、米中対立など政治的混乱だ。11月のアメリカの中間選挙でバイデン大統領の民主党は下院で敗北する公算が大きい。その結果、法案を通せず内政は停滞するため、バイデン政権は対中強硬的な外交政策へ全面シフトするとみられている。

激化する社会の分断

さらに2024年の大統領選挙では、共和党候補としてトランプ氏が表舞台に戻ってくる可能性が高い。社会の分断は一段と激化し、西側諸国結束の礎である民主主義が危機に瀕する事態に発展しかねない。

中国では10月の共産党大会で、習近平国家主席が3期目に入る見通しだ。習氏は党大会直前の9月にウズベキスタンで開かれた上海協力機構(SCO)の首脳会議に出席、新興国との結び付きを強める「グローバルサウス」戦略を鮮明にした。アメリカの弱体化が進み、西側諸国の結束が崩れれば、台湾問題などで隙を突いた外交・安全保障戦略を推し進める可能性もある。

来る米中動乱に向け、日本の備えは十分だろうか。

野村 明弘 東洋経済 解説部コラムニスト

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のむら あきひろ / Akihiro Nomura

編集局解説部長。日本経済や財政・年金・社会保障、金融政策を中心に担当。業界担当記者としては、通信・ITや自動車、金融などの担当を歴任。経済学や道徳哲学の勉強が好きで、イギリスのケンブリッジ経済学派を中心に古典を読みあさってきた。『週刊東洋経済』編集部時代には「行動経済学」「不確実性の経済学」「ピケティ完全理解」などの特集を執筆した。

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