中国に衝撃!米国「半導体制裁」の影響(後編) 向こう傷いとわぬ封殺、中国に活路はあるのか

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アメリカ政府の対中制裁強化は、自国企業をも傷つける『諸刃の剣』だ。それでも攻めるアメリカに、中国は対抗できるのか。

中国半導体産業のトップランナーへの打撃は必至だ。写真は中国の半導体受託製造最大手、中芯国際集成電路製造の本社工場(同社ウェブサイトより)

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先端半導体技術の対中輸出規制強化は、アメリカ企業の商機をも奪う『諸刃の剣』となる。それを承知で中国の技術力向上を阻もうとするアメリカに、中国は腹をくくった対応を迫られている。
中国の半導体産業に活路はあるのか。『財新週刊』が総力取材した10月17日号カバーストーリーの抄訳の後編をお届けする。

 

前編から読む

北京時間の10月13日午後9時、アメリカ商務省の産業安全保障局(BIS)は先端半導体技術の対中輸出規制強化に関する説明会をオンラインで開催した。ところが、もともと1時間を予定していた説明会は30分で打ち切られ、多くの疑問点が回答を得られないまま終わった。

とはいえ、説明会に出席した商務省のテア・ロズマン・ケンドラー輸出管理担当次官補は、今回の規制強化の狙いを隠そうともしなかった。彼女はその標的が中国の半導体製造、先進的演算能力、そしてスーパーコンピューターであることを明言したのだ。

前編で詳しく解説したように、新規制は輸出管理の対象範囲を大幅に拡大するとともに、具体的な数値を示して標的を明確に絞り込んだ。さらに、製造設備やソフトウェアなどの輸出制限だけでなく、アメリカ人が中国で半導体の開発・製造に従事することにも厳しい制約を課した。

トップランナー3社に打撃

中国の半導体メーカーのなかで新規制の打撃が最も大きいとみられているのが、先端技術の導入で各分野の先頭を走る中芯国際集成電路製造(SMIC)、長江存儲科技(YMTC)、長鑫存儲技術(CXMT)の3社だ。

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