ファーウェイ創業者「景気後退の長期化」に警鐘 利益とキャッシュフロー重視への転換を号令

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創業者の任正非氏は、ファーウェイを一代で世界的な巨大IT企業に育て上げた。写真は2020年1月のダボス会議に出席した任氏(同社ウェブサイトより)

「グローバル経済は今後数年にわたって景気後退が続く。わが社の経営方針を規模拡大の追求から、利益およびキャッシュフローの追求へと転換しなければならない」──。中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の創業者でCEO(最高経営責任者)を務める任正非氏が、社内に向けてそう号令をかけたことが明らかになった。

ファーウェイは8月22日、社内のイントラネット上に任氏の発言の要旨を掲載。その内容について、財新記者は複数のファーウェイ社員を通じて確認した。

それによれば、任氏はグローバル経済の先行きに極めて厳しい見方を示し、次のように警鐘を鳴らした。

「これからの10年は苦難に満ちた時代になる。ロシアとウクライナの戦争やアメリカ政府の(ロシアや中国に対する)制裁などの影響により、今後3年から5年の間にグローバル経済が回復する可能性は低い。さらに新型コロナウイルス流行の影響も重なり、景気のいい国や地域は世界のどこにもなくなるだろう」

任氏はそのような認識に基づき、ファーウェイは将来に対する過度に楽観的な見通しを修正しなければならないと(社員たちに)訴えた。

「2023年から2025年までは『生き延びる』ことを最重要の経営課題とし、1つひとつの業務に誠実に取り組まなければならない」(任氏)

非主力事業に思い切って大鉈

ファーウェイ社内では先に、アメリカ政府の制裁で調達が困難になった半導体を徐々に国産品に切り替えることなどにより、2025年には売上高が制裁開始前の水準に回復する可能性があるとの見通しを立てていた。

だが、任氏はそのような楽観論を戒め、目の前の困難の克服に意識を集中するよう求めている。

「仮に計画どおりに物事が進めば、ファーウェイは2025年には将来に多少の希望を持てる状況になるかもしれない。しかしその前に、これから3年間の困難な時期を乗り切る方策を考えなければならないのだ。ファーウェイはキャッシュフローと利益を最重視した経営に軌道修正すべきであり、売上高(の拡大)だけを目標にしてはならない」(任氏)

さらに任氏は、利益を生み出せない事業は今後数年の間に縮小または廃止すべきだとの考えを示した。(不採算事業に対して)思い切って大鉈を振るい、生じた余剰人員を合理的なポジションに再配置し、主力事業に人的資源と物的資源を集中するためだ。

本記事は「財新」の提供記事です

「主力事業以外に関しては、まず事業として成立させられるのか、そのためにどれだけ資源を投入しなければならないかを見極めなければならない。その結論が不合格なら、撤退または縮小を決然と実行すべきだ」(任氏)

(財新記者:張而弛)
※原文の配信は8月23日

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