中国の通信機器最大手の華為科技(ファーウェイ)は4月1日、同社の副董事長兼CFO(副会長兼最高財務責任者)の孟晩舟氏が、新たに輪番董事長(交代制の会長職)を兼務すると発表した。
同社の説明によれば、この人事は輪番董事長の1人だった副董事長の郭平氏が同じ日に監事会主席(監査役会議長)に選出され、輪番董事長職を離れたことに伴うものだという。
ファーウェイは2018年に輪番董事長制を導入。輪番董事長は董事会(取締役会)および董事会常務委員会を取り仕切り、任期6カ月の輪番期間中はファーウェイの「会社の顔」の役割も担うポジションだ。
初代の輪番董事長は上述の郭氏、副董事長の胡厚崑氏、同じく徐直軍氏の3人であり、交代するのは今回が初めて。これにより、孟氏は社内で胡氏および徐氏と肩を並べる地位に昇格したことになる。
なお、ファーウェイ創業者の任正非氏の肩書きは総裁兼CEO(最高経営責任者)であり、現在もそれに変化はない。
カナダ当局に拘束され、2021年9月に帰国
新たに輪番董事長に加わった孟氏は、創業者の任氏の長女である。ファーウェイには1993年に入社し、国際会計部門の責任者、香港法人CFO、本社CFOを歴任してきた。
孟氏の名前や経歴を一夜にして世界に知らしめたのが、2018年12月、アメリカの司法当局の要請によりカナダの司法当局がバンクーバー空港で孟氏の身柄を拘束した事件だ。孟氏は保釈を認められたものの、1000日以上にわたってカナダ当局の監視下に置かれた後、(アメリカ司法省との司法取引を経て)2021年9月25日に中国政府のチャーター機で帰国した。
ファーウェイのウェブサイトによれば、孟氏は(カナダ当局の監視下にあった)2019年から現在まで、同社の経営戦略ビジョンや長期経営計画の策定に参画してきた。
今回の輪番董事長への就任は、孟氏の職責が財務部門の枠を越え、ファーウェイを代表して法人顧客、メディア、消費者などと向き合う機会が増えることを意味する。
現時点の輪番会長は4月1日から胡氏が務めており、(その次は徐氏が務めるため)孟氏の最初の任期は1年後の2023年4月からとなる予定だ。
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は4月2日
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