中国のネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)は8月17日、2022年4~6月期の決算を発表した。それによれば、同四半期の売上高は前年同期比3%減の1340億3000万元(約2兆6646億円)と、2四半期連続の減収を記録。純利益は同56%減の186億1900万元(約3702億円)と、前年同期の半分未満に落ち込んだ。
純利益の激減は、投資事業の損失に足を引っぱられた格好だ。決算報告書を見ると、投資損益が含まれる「その他収益」は44億2000万元(約879億円)と前年同期比8割近く減少。これは、テンセントの国内向け投資の一部で(投資先企業の評価額低下により)減損処理を迫られたためだ。
同じく決算報告書によれば、テンセントが直接的または間接的に保有している上場株式の時価評価額は2022年6月末時点で4700億3100万元(約9兆3445億円)と、半年前に比べて1646億3000万元(約3兆2729億円)も減少した。
テンセントを取り巻く経営環境が急速に変化するなか、同社は戦略の抜本的見直しを進めている。投資事業も例外ではない。2022年に入ってから、それまで10年近く保有していた複数の投資先の持ち株を相次いで売却した。そのなかにはシンガポールのネットサービス大手のSea(シー)、中国の電子機器大手の歩歩高電子工業(BBK)、学習塾大手の新東方教育科技、映画製作大手の華誼兄弟伝媒などが含まれている。
従業員を3カ月で5500人削減
投資事業以外の(オンラインゲームやクラウドサービスなどの)主要事業も伸び悩んでおり、テンセントはコスト管理を強化している。非国際会計基準(非IFRS)ベースの4~6月期の純利益は281億3900万元(約5594億円)と、前年同期比17%減少したものの、直前の1~3月期比では10%増加した。これは非中核分野からの撤退、マーケティング費用の抑制、一般管理費の削減などを進めた成果だ。
3月に開始された人員カットは4~6月期を通じて継続され、ほぼすべての部門が対象になっている。決算報告書によれば、2022年6月末時点の従業員数は11万715人と、3月末時点より5498人減少した。
「コスト管理の効果は、下半期にはさらにはっきりしてくる。(総売上高の約3割を占める)オンラインゲーム事業の売上高が仮に横ばいだったとしても、業績は今後の数四半期のうちに(事業全体の)回復に転じるだろう」。テンセントのCSO(最高戦略責任者)を務めるジェームス・ミッチェル氏は、決算説明会でそう自信を示した。
(財新記者:関聡)
※原文の配信は8月18日
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