大幅な円安やインド市場の好調を背景にスズキの業績が急改善している。ただ、社長ら経営陣の悩みの種は尽きない。

スズキの鈴木俊宏社長は「(国内の)顧客の財布の状況は非常に厳しい」と需要冷え込みに警戒感を示す(写真:スズキ)
自動車メーカー、スズキの業績回復が進んでいる。
同社が11月8日に発表した2023年3月期の中間決算(2022年4~9月)は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比65.8%増の1643億円だった。海外で柱のインドで販売が伸びており、円安の強い追い風も吹く。通期の営業利益予想は、従来見通しの1950億円から48.7%増の2900億円(前年同期比では51.5%増)へと大幅に上方修正した。
ただし、自動車業界を取り巻く事業環境は、決して良いとは言えない前半戦だった。半導体をはじめとする部材不足が長引いており、生産への影響は完全には払拭できていない。そのうえ、想定以上の原材料価格の高騰が、重しとしてのしかかっている。
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