トヨタをロシアから撤退に追い込んだ2つの事情 従業員に払うルーブルが底をつき、部品もない
ウクライナ侵攻により世界から孤立するロシアから、トヨタ自動車が撤退を決めた。その要因は大きく2つある。
トヨタは一度進出した地域からは撤退しない――。そんな不文律を破ることになったのはなぜなのか。
トヨタ自動車は9月23日、ウクライナへの侵攻を続けるロシアでの生産・販売事業から撤退すると発表した。日産自動車や三菱自動車などが生産停止としたまま様子を見る中、日本車メーカーでは販売首位のトヨタが先陣を切っての撤退となった。トヨタ幹部は「断腸の思いで撤退を決めた」と述べた。
ロシアで事業展開する自動車メーカーでは、フランスのルノーが5月にロシアの自動車最大手、アフトワズの株式を売却することを発表し撤退を決めたが、多くの自動車メーカーが工場の稼働を停止したままだ。
トヨタが撤退に追い込まれた理由は大きく2つある。
1つ目は、部品調達難により自動車の生産ができないことだ。2007年からロシアで現地生産を行っているトヨタだが、部品の現地調達化はそれほど進んでおらず、部品の多くを主に欧州からの輸入に頼ってきた。
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