新車の納車が進まず、赤字になる販売店も。その一方で新制度の検討が進む。
「新車の販売台数が減り、最近は赤字の月もある」
トヨタ系列の有力販売会社社長は苦渋の表情を浮かべる。実は、現在どの販社もこうした苦しい状況に追い込まれているという。
なぜか。要因は一向に上向かない生産状況にある。トヨタの4〜6月の国内新車販売台数は部品不足による生産調整が響き、前年を2割も下回った。販社は受注時ではなく顧客に納車するタイミングで売り上げが立つ。自動車保険やローンの手数料収入、メンテナンスパックなども新車販売とセットで得られるため、新車の供給難は経営に直接響いているのだ。
現在は納期が6カ月以上の新車も少なくない。とくにハイブリッド車(HV)の納期は延びている。今年1月に発売されたミニバンの「ノア」や「ヴォクシー」のHVは、納車まで1年かかる。
高級ミニバンの「アルファード」や「ヴェルファイア」はモデル切り替えが来春の予定だが、現行モデルの受注残解消に時間を要することを見越して受注を停止。売れ筋の「カローラクロス」のHVも5月末に受注を止めた。都内の販売店の営業スタッフは「HVは納車に時間がかかるので、ガソリン車を薦めることも多い」と話す。
販売店に商用車が並ぶ珍事も
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