新型クラウンの出ばなをくじいた出荷遅れの正体 トヨタから「品質確認」通知、EVリコール影響か
新型「クラウン」はトヨタ自動車が誇るプレミアムカーだ。トヨタは7月15日、そのクラウンを全面刷新し、国内専用車から発展させグローバルモデルとして販売することを華々しく発表した。
豊田章男社長は「日本の底力が詰まっている新型クラウンで、私たちはもう一度、世界に挑戦する」と宣言。トヨタが刻む「新たなストーリー」にワールドプレミア(発表)会場は熱気に包まれた。
クラウンは旗艦セダンであるものの、近年はレクサスとの競合や高級ミニバン「アルファード」の人気もあり、年間販売が約2万台にまで落ち込んでいる。ピークだった1990年の10分の1の規模だ。
16代目となる新型ではセダンだけでなくSUV(スポーツ用多目的車)などの4つの車形をそろえ、アメリカや中国、中近東など40の国と地域で販売する。シリーズ第1弾となる「クロスオーバー」にはトヨタの国内販売会社から高い期待が寄せられていた。
発表間際の受注延期決定
ところが、直前で「出ばなをくじかれる事態」が起きた(トヨタ系販社社長)。
新型クラウンは当初ワールドプレミアに合わせて受注開始の予定だったが、突如延期が決まったのだ。全国の販社に通知があったのはイベント開催まで11日となった7月4日。「新型クラウン7/6出荷の延期について」と題した文書が配られた。当初予定していた7月6日の出荷開始を「ラインオフに向けた生産準備上の都合」で見合わせるという連絡だった。
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