今後のEVに必要不可欠なeAxleの現状と最新動向 小型・軽量なシステム開発が電動化のカギに
近年普及が進むBEV(バッテリーEV)やHEV(ハイブリッド)など、いわゆる電動車向けの次世代駆動ユニットとして注目されている「eAxle(イーアクスル)」。
大きな特徴は、走行用の駆動力を発生する「モーター」、電力を制御する「インバーター」、モーターの回転数を調節してタイヤ(ドライブシャフト)に伝達する「減速機(ギア)」などを一体化していること。EVの心臓部といえるパワートレインの主要部品をひとつにまとめることで、小型・軽量化や省スペース化が可能となる。また、搭載が容易になることで低コスト化にも貢献するなど、メリットは多岐にわたる。
例えば、トヨタ初のBEV「bZ4X」にも搭載されるなど、最近になって国内でもイーアクスルの採用実績は進んでいる。また、欧米や中国など海外の自動車メーカーも同様で、まだまだ搭載実績こそ少ないが、今後導入される新型車は徐々に増えていくことが予想され、市場規模も拡大傾向だ。そのため、現在、国内外のさまざまな自動車部品メーカー間で開発競争が激化している。
自動車技術専門展示会「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA(2022年5月25~27日・パシフィコ横浜)」にも、多くの出展社から多様な仕様のイーアクスルが出展され、その注目度の高さがうかがえた。今回は、それらをいくつかピックアップしつつ、それぞれの特徴などを紹介することで、次世代EVにおける新たなトレンドに迫ってみたい。
EVの新たな心臓部eAxle(イーアクスル)とは
まずは、イーアクスルについて、もう少し捕捉しておこう。EV駆動システムやEV用トラクションユニットといった別目も持つイーアクスルは、BEVやHEVはもちろん、PHEV(プラグインハイブリッド)やFCV(燃料電池車)など、モーターを使用する次世代電動車であれば、どのようなタイプにも使える。幅広い車種での利用が期待できるため、生産する自動車部品メーカーとしても、開発や生産のコストを低減できるなどのメリットを生む。
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