今後のEVに必要不可欠なeAxleの現状と最新動向 小型・軽量なシステム開発が電動化のカギに

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さらにトヨタが2022年7月15日に世界初公開した新型「クラウン」にも、2.4L・4気筒ターボのハイブリッド車にイーアクスルを採用する。こうした動向をみてみると、おそらくトヨタやレクサスでは、今後もBEVやHEVなど、多くの新型EVにイーアクスルを採用していくことが予想できる。とくに2035年に100%BEV化を目指すレクサスでは、電動駆動ユニットを軽量・小型化できるイーアクスルのメリットを活かした新型車が、これからも続々と登場する可能性は高い。

変速機メーカー「ジヤトコ」も独自に開発を進める

イーアクスルについて説明するジャトコ●●氏(筆者撮影)
プレスブリーフィングで成長戦略などを語ったジヤトコ代表取締役社長の佐藤 朋由氏(筆者撮影)

変速機メーカーのジヤトコも電動車のニーズ拡大により、今後イーアクスルに注力していく企業のひとつだ。今回は、独自技術を投入した開発中のユニット2タイプを展示した。いずれも供給電圧300~400V、モーターの最大回転数1万6000rpm、最大出力100~150kW(136~203.9ps)などのスペックを持ち、ミドルクラスの車両向けに開発された仕様だ。

同軸タイプを採用したイーアクスル(筆者撮影)
同軸タイプを採用したイーアクスル(筆者撮影)

今回大きな注目を浴びていたのが、モーターの中心軸をドライブシャフトが貫通する「同軸」タイプだ。これは、従来型と比べ、さらなる小型・軽量化を実現するもので、遊星ギアを用いた独自の同軸構造を採用していることが特徴だ。コンパクトに作れることで車両搭載性も向上し、車体の低重心化などにも貢献する。

3軸タイプのイーアクスル(筆者撮影)
3軸タイプのイーアクスル(筆者撮影)

一方、従来からある「3軸」タイプについても、モーターのトルク密度を高めるなどで、同社製はユニットをコンパクトで軽くしていることが特徴だ。ジヤトコの担当者によれば、同軸タイプは軸に対し前後方向の幅、3軸タイプは軸方向の幅をそれぞれコンパクトにすることができるため、自動車メーカーが要求するさまざまなイーアクスル搭載位置に対応することが可能だという。

なお、ジヤトコは、2021年11月に日産のe-パワートレイン(EV向けパワートレイン)開発のパートナーとなっている。そのため、今後、日産から登場するEVに同社のイーアクスルが採用される可能性は十分にあるといえるだろう。

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