今後のEVに必要不可欠なeAxleの現状と最新動向 小型・軽量なシステム開発が電動化のカギに

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アイシンは、「高効率」「小型化」をテーマに「3世代構想」で開発を進める(筆者撮影)
アイシンは、「高効率」「小型化」をテーマに「3世代構想」で開発を進める(筆者撮影)

特徴は、前述の通り、モーターやインバーター、減速機を一体化することでユニットをコンパクトで軽くできることだ。とくに自動ブレーキなど先進安全機能の進化により、センサー類など車両に搭載する部品点数は増加の一途をたどる。さらに将来的に実用化が期待される自動運転車では、より部品点数が膨大となることが予測され、各部品の小型化は必須だといえる。

また、BEVの場合は、1回の充電で走行できる距離を伸ばすことも課題だが、搭載部品を軽量化することは全体の車両重量の抑制につながり、電費の向上に貢献するだろう。

トヨタbZ4Xに採用、アイシンのイーアクスル

インバーター内臓トランスアクスル(筆者撮影)
インバーター内臓トランスアクスル(筆者撮影)

今回の展示会では、さまざまなタイプのイーアクスルが出展された。なかでも「アイシン」のブースでは、「デンソー」や「BluE Nexus(ブルーイーネクサス、2019年にアイシンとデンソーが共同設立した新会社)」と共同開発し、トヨタ・bZ4Xに採用されたモデルを展示した。

イーアクスルのモーター部(筆者撮影)
イーアクスルのモーター部(筆者撮影)

モーターとインバーター、トランスアクスル(トランスミッションとデフを一体化した動力伝達機構)をワンユニット化したこのイーアクスルは、インバーターをトランスアクスルへ内蔵するビルトイン構造の採用や、モーターの小型化などで、大幅なコンパクト化を実現していることがポイントだ。

トヨタブースに展示されていたbZ4Xのシャーシ(筆者撮影)
トヨタブースに展示されていたbZ4Xのシャーシ(筆者撮影)

また、ユニットの内の最適な冷却に加え、熱マネジメント技術の採用などにより、出力密度を向上し、長時間かつ高トルクで出力可能な高い動力性能を実現している。最高出力は、FWD(前輪駆動)車向けフロントユニットが150kW(203.9ps)、4WD車向けのフロントおよびリアユニットがそれぞれ80kW(109ps)を発揮する。

シャーシ構造の開設(筆者撮影)
シャーシ構造の解説(筆者撮影)

なお、bZ4Xと共同開発された兄弟車のスバル・ソルテラについても、正式なアナウンスこそないが、生産はトヨタの国内工場であることもあり、イーアクスルについても同様のユニットであることが推察できる。

レクサスのUX300eでもアイシン製を採用

ほかにもレクサス・ブランド初となるBEVで、コンパクトSUVタイプの「UX300e」にもアイシングループ製イーアクスルを採用。また、2022年秋頃に日本発売を予定する新型SUV「RX」の高性能仕様「RX500h Fスポーツ パフォーマンス」では、搭載する新開発ハイブリットシステム「2.4L-T HEV」にイーアクスルを採用する。レクサスによれば、リアに高出力モーターのイーアクスルを搭載したこのシステムと、電動化技術を活用した四輪駆動力システム「ダイレクト4」との組み合わせで、レスポンスの良い伸びやかな加速などを実現するという。

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