今後のEVに必要不可欠なeAxleの現状と最新動向 小型・軽量なシステム開発が電動化のカギに
海外の自動車メーカーが採用しているほどだから信頼性は高いだろうし、一体型の駆動ユニットであるため搭載も比較的容易なことがメリットだ。ラストワンマイルの移動手段や近距離のデリバリー用途など、日本においても電動の小型モビリティが注目されているだけに、同社のイーアクスルが今後どう市場の反応を受けるのかが注目される。
国内で注目を集めている軽EVのイーアクスル搭載は?
以上はほんの一例だが、イーアクスルは国内外の自動車部品メーカーがかなり注力していることだけは間違いない。さまざまな出力やサイズがあることで、今後はより多様なタイプのEVへ導入されることが予測できる。とくに日本では、小型・軽量化できるメリットを活かし、軽自動車サイズのEV、いわゆる「軽EV」への導入もありうるだろう。
今回の展示会では、ダイハツもブース出展しており、2021年11月に発売したコンパクトSUV「ロッキー」のハイブリッドモデルに搭載したシステム「e-スマートハイブリッド」を展示していた。ダイハツでは、2030年までに国内の新型車を100%電動化する方針を出しており、今後、軽自動車のハイブリッドには、エンジンで発電しモーターで駆動する同システムを主軸にしていくという。
一方、2025年に市場投入を予定する軽BEVについて、ダイハツのブース担当者によれば、「イーアクスルの搭載も検討している」という。ダイハツは、イーアクスルを国内の他メーカーに先立って導入しているトヨタ傘下である。当然ながら、新型の軽EVについて、電動駆動ユニットを小型・軽量化できるイーアクスルを採用する可能性は十分あるといえよう。
軽EVは、2022年6月に日産が「サクラ」、三菱がその兄弟車「eKクロスEV」を発売し、いずれも売れ行きは好調だという。ライバルメーカーであるダイハツ、スズキやホンダも2024年や2025年に軽EVの市場投入を明かにしているが、後発であるがゆえ、商品力をこれら2モデル以上に高める必要性がある。それには、サクラやeKクロスEVの1充電あたり180kmという航続距離や、WLTCモード124Wh/kmという電費を超えるスペックもひとつの選択肢だろう。また、より室内を広くするなど、使い勝手のよさを高める手もある。電動駆動ユニットを軽量・コンパクトにできるイーアクスルは、それらに貢献できるポテンシャルが十分あるだけに、日産や三菱を追撃する手段として、ダイハツ、スズキ、ホンダといった他メーカーでも、新型の軽EVにイーアクスルを採用する可能性は十分にあるといえるだろう。
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