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独走する巨人トヨタを待ち受ける「3つの課題」 生産計画は下ぶれが続き、受注残が膨れ上がる

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伝統的な自動車メーカー相手では向かうところ敵なしだが、足元では新たな試練が待ち受ける。

2021年12月、トヨタは30年までにEVをグローバルで30車種投入するとぶち上げた(撮影:尾形文繁)

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日本の底力が詰まっている新型「クラウン」で、私たちはもう一度、世界に挑戦する――。

トヨタ自動車の豊田章男社長は意気軒高に宣言した。国内専用車だったクラウンを今後はグローバルモデルとして展開。セダンだけでなくSUV(スポーツ用多目的車)など4つの車形をそろえ、米国や中国、中近東など40の国と地域で販売する。7月15日に千葉・幕張メッセで開かれた新型クラウンのワールドプレミアでは、トヨタとクラウンの歴史を振り返る壮大なプレゼンテーションを披露。トヨタが刻む「新たなストーリー」に会場は熱気に包まれた。

しかし、華々しいイベントの裏では、「出はなをくじかれる事態」(トヨタ系販売会社社長)が起きていた。

実は、新型クラウンの発売時期は「2022年秋ごろ」である以外、決まっていない。ワールドプレミアに合わせ受注を始める予定だったが、「品質確保に時間を要する」として直前に延期したのだ(8月10日、トヨタは9月の生産計画を発表し、クラウン生産開始を明示した)。

延期の背景には「bZ4X」のリコールが影響か

別のトヨタ系販社社長は「トヨタの営業担当からハブボルトの品質確認と聞いている。『bZ4X』のリコール(回収・無償修理)が影響しているようだ」と明かす。

次ページ新型クラウンは社長の意向が色濃く反映
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