危機の日野を親会社トヨタが静観し続ける事情 連合から除名しても、資金援助には消極的

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日野自動車の親会社、トヨタ自動車は先進技術開発の商用車連合から日野を除名した。危機に瀕した日野をどうするのか。

日野自動車の小木曽聡社長
日野の小木曽社長はトヨタ出身。体質改善を断行できるか注目される(撮影:尾形文繁)

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「日野が起こした不正行為は、CJPTが共有する想いや目指す道とは相いれないものであり、このまま日野を含めて活動を進めることは、お客様や社会の皆様からの理解を得ることができないのではないか」

プレスリリースにはトヨタ自動車の豊田章男社長の厳しいコメントが並んだ。トヨタが主導して2021年に立ち上げた商用車連合、「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」は8月24日、排出ガスや燃費をめぐるデータ改ざん問題を受け、トヨタの子会社の日野自動車の除名を決めた。不正拡大を受け、除名処分が急浮上したようだ。

除名を発表する2日前の8月22日に、日野は国土交通省の立ち入り検査により、小型エンジンでも不正が発覚したことを発表していた。CJPT参加メンバーの首脳は「8月2日の調査委員会報告のあと、(日野の活動に対する)方針がひっくり返った。トヨタは不正拡大の話を知らなかったのではないか」と指摘した。

CJPTは、商用の電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)を業界一丸となって開発・普及させていくことが大きな狙いの1つだ。豊田社長は日野のCJPTにおける今後の活動について連合のメンバーに投げかけ、議論を経て除名が決まった。

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