日野「再発防止策の実行」では済まないいばら道 海外戦略の見直し含めた体制再構築は必至か

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エンジン不正に揺れる日野自動車が国土交通省に再発防止策を提出した。二度と不正を起こさない体制を作れるのか、取り組むべきことは限りなく多い。

日野自動車の再発防止策発表会見
日野自動車は国土交通省に再発防止策を提出し、再生への一歩をようやく踏み出した(撮影:梅谷秀司)

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「トップである自分自身が全社改革への覚悟を示し、社会への責任を果たしていく」

エンジン不正に揺れる日野自動車の小木曽聡社長は10月7日の記者会見冒頭、緊張した面持ちでそう語った。

2022年3月にエンジン認証試験の不正行為を発表して以来、日野はようやくまとまった再発防止策の発表にこぎ着けた。国土交通省には、3カ月ごとに対策の実施状況を報告する。

生産本部長ら取締役3人と専務1人が辞任し、小木曽社長は月額報酬の50%を6カ月間減額する。2003年以降の歴代社長と調査報告書で企業風土への関与が指摘された役員合わせて11名への当時の報酬一部の自主返納を要請した。

役員処分について小木曽社長は「直接的な(不正の)関与はいっさい認められていなかった」ものの「不正が発生した職場の管理監督をする役割だったが(在任時に)見つけて対策できなかった経営としての責任を鑑みた」と説明した。小木曽社長が続投する理由は、就任が2021年6月と比較的最近であることなどを挙げた。

再発防止策発表まで、監督官庁である国土交通省への対応などをめぐり、日野は混乱した。

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