フリマアプリという、世になかったサービスを普及・定着させてきたメルカリ。成長の過程では、サービス開発と同等にPR戦略を重視してきた。
――サービス開始間もない頃から広報・PRに熱心でした。
むしろ「なぜ熱心にやらないの?」という感じだ。
ベンチャーを自動車の車体に例えると、左の車輪が商品やサービスだとしたら、右の車輪がPRやマーケティング。両方がなければ資金調達でガソリンを注いでも、車は前に進まない。いいサービスは世に知られて、使われて初めて意味を成す。
ベンチャーにおけるPRの目的は主に2つ。顧客を増やすことと、採用を増やすことだ。
どちらにおいても、モノやサービス、情報があふれすぎている中では「共感してもらえるストーリー」を届け、ファンを作れるかがカギになる。
――どんな手段が有効ですか。
1つはメディアリレーションの強化だ。ただ、メディア側の関心や掲載時期、取り上げ方はこちらでコントロールできない。そこでもう1つ重要になるのがオウンドコンテンツ。自分たちなりの言葉で、出したいタイミングで発信できれば、メディア掲載の補完的な役割を果たせる。
ただ、これはけっこう難易度が高い。会社のミッション、ビジョンなどがベースになければ表面的なコンテンツになってしまうし、かといってそれが前面に出すぎても読み手にはうっとうしい。経営者とPR担当者がキャッチボールをしながら、自社の最適解を探っていくことが重要だろう。
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