メルカリ、「事業者の出品」を突如解禁した深い理由 山田進太郎CEO「僕らはECモールにはならない」

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上場以来初の通期黒字化も、「結果的にそうなっただけ」と冷静に受け止める山田進太郎CEO。メルカリが次に目指す姿とは。

メルカリが「次の柱」に育成することを目指している新規事業とは(撮影:今井康一)

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フリマアプリ国内最大手のメルカリが、創業後初めて年間の売上高で1000億円を超え、通期での黒字化を達成した。国内のアクティブユーザー数は6月末時点で1954万人で、2000万人の大台が目前に迫る。
これまでメルカリはフリマアプリの国内事業、アメリカ事業、そしてスマートフォン決済の「メルペイ」という「3本柱」の育成に集中してきた。黒字化を経て稼ぐ力をつけた今、次の柱になりうる新規事業への投資を加速する構えだ。
メルカリでは今年7月末に中小店舗やクリエーター向けにフリマではなく通販としての販売の場を提供する「メルカリショップス」を発表。これまでは個人間で簡単に取引できることを重視してきたが、今回一転して事業者の出品を”解禁”した。
創業者の山田進太郎CEOへのインタビュー前編では、コロナ禍での急成長を経たメルカリの「今」について掘り下げる。

収益力と組織力がつき、投資の打率が上がった

――初の通期黒字化を達成しました。以前から「利益はあくまで結果でしかない」としていますが、現在メルカリの稼ぐ力をどのように考えますか。

約3年前に上場して、そこから3本柱の事業の育成に集中し赤字も増え続けていた。だがその投資が収益に変わってきている。基盤が整ってきたという感覚はある。一方で、もっと投資できたという思いもある。

コロナ禍の巣ごもり需要で結果的にはメルカリでの出品・購入が増えたが、当初は(物流企業の)配送センターで感染者が出て操業が止まるなどの問題が生じた。われわれの事業も物流が止まるとすべて止まってしまうので、かなりシリアスにとらえ、マーケティングや採用を極力絞った。昨年末からは再びそれらの費用を投じているが、結果として筋肉質になり黒字で着地した。

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