上場以来初の通期黒字化も、「結果的にそうなっただけ」と冷静に受け止める山田進太郎CEO。メルカリが次に目指す姿とは。
フリマアプリ国内最大手のメルカリが2014年の創業来初めて、年間の売上高で1000億円を超えた。上場以来初となる通期での黒字化も達成。2021年6月期の売上高は前期比39%増の1061億円、営業損益は前期の赤字から244億円改善し51億円で着地した。
昨年春のコロナ禍突入以降、メルカリは経営環境の悪化をにらみ、人材採用やマーケティングの投資を一時的に強く抑制。昨年末頃からは徐々に再開したものの、結果的に年間の広告宣伝費は前期比で25億円削減した。
とはいえ今回の黒字化は単純に費用を削減した結果ではない。営業損益の改善幅244億円のうち大半を占めるのが、218億円の「増収効果」(売上高から売り上げ連動費用を差し引いたもの)だ。
コロナ禍の巣ごもり需要の恩恵も受け、メルカリでの売買は活発化している。売上高の7割を占める国内フリマの月間アクティブユーザー数は6月末時点で1954万人と1年で12%増加し、2000万人の大台が目前に迫る。フリマ上で売買された金額を表す国内流通総額は7845億円(2021年6月期)となり、前期比25%増という高成長を続けている。
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