メルカリが急ピッチで模索し始めた「アメリカの次」 出品した瞬間代金を受け取れる「未来のメルカリ」

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上場以来初の通期黒字化も、「結果的にそうなっただけ」と冷静に受け止める山田進太郎CEO。メルカリが次に目指す姿とは。

メルカリのアメリカオフィス。現地版のサービス画面や会社のロゴは、日本のものと大きく異なる(編集部撮影)

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稼ぐ力を着実につけてきたメルカリはこの先どこへ向かうのか。8月12日、創業来初の通期黒字化となった2021年6月期決算発表の場で、創業者の山田進太郎CEOは数年ぶりに刷新したという長期ビジョンを披露した。
「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」というミッションを達成したときの姿を示したというその内容が、以下の通りだ。
「ユーザーの信用情報やモノの価格データを活用し、出品者は取引完了の確認を経ずとも、出品した瞬間にお金を手に入れられるようになる。購入者は、その商品をいつか売り手として出品してくれるなら、将来の売却時の価格が事前に差し引かれた形で購入できるようになる」
「配送も大きな変化が世界中で起こる。太陽光や風力などで動くロボットやドローンが、二酸化炭素の排出量が少ない方法で配達する」
「スキルやデジタルアセットも取引されている。ブロックチェーンで所有権が守られ、自分の楽曲をNFT(Non-fungible Token、非代替性トークン)化してメルカリで売買できる。誰もが自分らしいクリエイティブな人生を楽しめる世界が実現できる」
山田CEOの単独インタビュー後編は、単なる日本のフリマアプリではないメルカリの将来像を掘り下げる。

「信用」を強調した意味とは?

――長期ビジョンで描いたイメージには、どのようにたどり着いたのですか。

6月の年度末に向けて、年初くらいからいろいろ議論しロードマップを作ってきた。ありたい姿のイメージは数年に1回作っている。前回は4~5年前だった。前回すでに、(スマートフォン決済の)メルペイやグローバル展開の構想もあったので、そこから大枠は変わっていない。

一方、ブロックチェーンを活用した暗号資産やデジタルアセットの取引はここ最近広がってきたため、今回アップデートした。

事業が進捗してくると、自分たちの能力が上がったり、テクノロジーが進化したりする。そうした前提が変わるので、何年後かにこういうことを実現したいという姿も改めて考えないといけない。来年、再来年はまた新しい要素が出てくるだろう。

――今回発表したビジョンでは、メルカリのサービスにおける「信用」が強調されていたように思います。

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