じわじわと役割を拡大するPRの業界には、国内外、新旧のプレーヤーがひしめく。中でもベクトルの独自路線が顕著になってきた。
メディアリレーション(報道機関との関係づくり)という限られた領域の担い手から、リアルとデジタル、両軸の企画・開発・運用を手がける存在へ──。じわじわと役割を拡大するPRの業界には、国内外、新旧のプレーヤーがひしめいている。
PR会社の収入源は、広報・PR関連施策をサポートする企業からの手数料。サブスクリプション(月額課金)型の「リテナー契約」と、プロジェクトごとの単発で案件を受注する「スポット契約」だ。
リテナー契約を結ぶ企業において大規模なイベントを実施する際に、追加的にスポット契約を結んで専門人材を動員するなど、複合的な課金体系になる場合もある。
世界の上位は軒並み米国企業
11月14日発売の『週刊東洋経済』11月19日号では「氾濫するPR」を特集。情報流通の新たな担い手となりつつあるPR会社・業界の分析や、失敗しない定番オウンドツールの活用術、そしてこれらと対照的に不振が極まるマスメディアの現在地などを追っている。
国内の主要どころには、独立系、大手広告代理店系などの会社がある。電通グループ傘下の電通PRコンサルティング、博報堂DYホールディングス傘下のオズマピーアールは、独自の案件獲得に加え、親会社側で受注した広告・キャンペーン施策のPR分野に関与することも多い。
ただ、電博が必ず自社系列のPR会社を使うかといえばそうでもなく、案件によってはより専門性のある独立系PR会社を選ぶ場合もある。最近はPR会社の側が音頭を取るキャンペーン施策などに、電博が一要員としてアサインされることも増えてきたという。
国内で株式上場しているベクトル、サニーサイドアップグループ、プラップジャパン、共同ピーアールは、おおむね好調な業績を上げている。
2020年はイベント、キャンペーンの受注などにコロナ禍の影響を大きく受けたが、現在はすっかり回復軌道に乗る。企業広報のDX(デジタル化)ニーズなども取り込み、成長が続きそうだ。
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