スズキ「納車6カ月待ち」国内販売の深刻な事態 窮余の「サブスク」開始でも、販売現場から不満
国内軽自動車大手のスズキが部材の調達難から販売に苦労している。台数を売って利益を得るビジネスモデルなだけに、痛手は計り知れない。
「受注残を解消するまでの生産はなかなか難しいが、生産計画で立てた台数をこなしていく」
スズキの鈴木俊宏社長は5月11日、2023年3月期の4輪生産見通しについてこう述べた。
2022年3月期の業績は、売上高3兆5684億円(前年同期比12.3%増)、営業利益1915億円(同1.5%減)と増収減益だった。主力の4輪販売台数が270.7万台(同5.3%増)となり、コロナ禍からの底打ちとなった。
しかし、世界での販売が持ち直したこととは裏腹に、2022年3月期の国内販売減速が続いている。国内の販売台数の結果は56.1万台(同13.3%減)と3期連続前年割れに沈んだ。スズキにとっての最大市場、インドでは同3.2%増の136.5万台を売ったのと比べ対照的だ。インドでは大規模なロックダウンを実施し、販売店での稼働が制約されていた2020年からの反発で通期の販売台数が上向いた。
国内販売台数が60万台を下回るのは、2012年3月期の59.6万台以来だ。2022年3月期は世界的な半導体不足により、国内の生産台数が落ち込んだことが響いた。
納車遅れに頭を抱える販売店
2023年3月期は挽回を期す年になる。スズキは国内販売台数を66.3万台(同18.1%増)、生産台数も103.5万台(同23.3%増)と見込む。ただ、5月に軽自動車「エブリイ」などを生産する磐田工場(静岡県)の稼働を一時停止させており、早速部品調達に悩まされている。
国内の販売店は、先が見えない納車遅れに翻弄されている。
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