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赤字上場「note」が普通のサイトと違う道ゆくわけ 「会社はそもそもクリエーター」noteCEOの哲学

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「『当社のCSR活動について』みたいなタイトルの記事を出されているのを見ると、もったいないな……と思う」。そう語るnoteの生みの親に勘所を聞いた。

noteを率いる加藤CEOは、企業活動が本質的にデジタルシフトすれば、おのずとオンラインのPR活動の重要性は増すと説く(撮影:尾形文繁)

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企業が自社商品やサービスのストーリーを語るオウンドコンテンツ発信の場として、すっかり定着した感のある「note(ノート)」。法人のアカウント数は年々増加し、足元では1万2000件に達する。商品・サービスだけでなく、採用広報に活用する事例も多い。
11月14日発売の『週刊東洋経済』11月19日号では「氾濫するPR」を特集(アマゾンでの購入はこちら)。情報流通の新たな担い手となりつつあるPR会社・業界の分析や、失敗しない定番オウンドツールの活用術、そしてこれらと対照的に不振が極まるマスメディアの現在地などを追っている。
2022年11月17日には東証グロース市場への株式上場も発表したnote。赤字を抱えた状態での上場が話題となったが、「成果が見えづらい」といわれがちな企業のオウンドコンテンツの重要性とは。2011年に現note社を立ち上げた加藤貞顕CEOに聞いた。

「はやりの街に店を出したい」企業が集まった

――「note」はかつてのブログと違った形の進化をしているように見えます。どのような思想で立ち上げたのですか。

週刊東洋経済 2022年11/19号[雑誌](氾濫するPR)
『週刊東洋経済 2022年11/19号 氾濫するPR』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。紙版はこちら。電子版はこちら

アスキーやダイヤモンド社で編集者をしていたころは、ネットとどう付き合うかが真剣に問われ始めた時代だった。

ネットは安い原価で発信できて届けやすく、素晴らしいもの。電子書籍の中にもたくさん売れたものがあった。一方、出版社やクリエーターがプラットフォームの「店子」になってしまうとデータが得られず、マーケティングの手段が限られる。

ファイナンスも問題だ。ネットにおいて、創作だけで食べていけるエコシステムは確立されていなかった。そのため、ウェブで課金の編集コンテンツを提供する「cakes(ケイクス)」を始め(2022年8月に終了)、後に誰でも投稿できるようオープン化した「note」を始めた。

重視したのは、誰もが創作活動を始められて、続けられるようにすること。機能面はもちろんだが、創作支援のイベントなども行っており、エコシステム全体を作ろうとしている。文筆だけでなく、写真家もVRの達人も、ネット上で表現可能なものは何でもいい。

――企業のオウンドツールとしての利用も広がってきました。

個人クリエーターのような、ファイナンス面のお困りごとはあまりないかもしれないが、多くの人に見てもらえるプラットフォームになり、企業にもいわば「はやっている街にお店を出したい」という心理で注目・活用してもらえるようになった。

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