業者が買い取った中古品は、あの手この手で売りさばかれていく。日本では見向きもされない商品が、海外では人気を集めるケースも。
リユース(中古)業界が活況だ。2022年のリユース市場は3兆円に到達する勢いで、足元の物価高が成長を後押しする。
11月に入り、リユース店は繁忙期を迎えている。店内は冬物衣料など季節商品を求める客でごった返し、買い取りも増えてくる。「店舗によっては1日120件の買い取りが持ち込まれる。繁忙店では閉店2時間前に買い取り終了時間を前倒ししている」(トレジャー・ファクトリーの野坂英吾社長)。
最大手のゲオホールディングスは、リユース店「セカンドストリート」の出店を拡大させている。2023年3月期末までに800店舗体制を目指す方針で、2020年3月末の671店から急拡大させている。足元の既存店売上高は2桁増と活況で、衣料品や中古スマートフォンなどが人気を集める。トレジャー・ファクトリーも2022年2月期から出店に力を入れており、年20~25店ペースで店舗を増やす方針だ。
メルカリの一強体制に変化
リユース業界は右肩上がりの成長が続いてきたが、牽引役となったのが2013年にサービスを開始したフリマアプリ「メルカリ」だった。
2021年のリユース市場2兆6988億円(リサイクル通信調べ)のうち個人間取引は43.3%を占める。リユースのECサイトの参入も相次いだことで伸びが続いており、数年前から店舗は劣勢に立たされていた。
ここにきて店舗が攻勢に転じた背景には、需要の高まりがある。円安や資源高の影響で多くのものが値上がりする中で、人々の節約志向は高まるばかり。
近所にリユース店があれば、その場で売買できる。ピンポイントで商品を探すネットと違い、店内で掘り出し物を探す楽しみもある。
数万円する大型家電などはネットよりもリアル店舗で購入したいなど、市場拡大に伴いすそ野が広がっている。
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