━━リユース市場が活況です。背景には何があるのでしょうか?
消費者の環境意識、サステナビリティ意識の高まりを感じている。若い世代は両親や祖母の服をリバイバル的なニーズで着ている。物があふれる中で、一点ものの価値を感じているし、資源を有効活用することもできる。年配層もリユースに親しみを持って使っていただくようになり、市場の広がりを実感している。
さらに円安や資源高が進む中で、人々の節約志向の意識が高まっている。サービスが充実したことで、身近にリユース品を売買できるようになったことも大きい。
新品と中古品は競合しない
━━給料が上がらない中で物価高が続き、新品を買えなくなった人がリユースに流れているのでは?
現在の活況を見る限り、その要素は大きくない。たとえば新品の家電にはさまざまな機能を付け加えているが、単機能で使いたい方もいる。新品がそのニーズに応えられなくなっており、シンプルで手頃なものが欲しい方々がリユース品を買っている。
新品と競合しているわけではなく、欲しいものは新品で明確にあって消費にメリハリが効いている。最新の家電にこだわりたい人もいるし、別のものが欲しいから家電は安くていいと考える人もいる。これまでの選択肢は新品で安いものが中心だったが、リユースへ裾野が広がり垣根がなくなってきた。
━━リユース市場はメルカリに代表される個人間取引が牽引してきました。足元はリアル店舗の出店が相次いでいますが、潮目が変わったのでしょうか?
世間ではメルカリなどの個人間取引が広がることで、来店客を奪われているイメージがあったようだが、実際は店舗拡大を続けてきた。個人間取引の拡大がリアル店舗にも派生し、来店が増えて既存店も伸びていた。今はある程度、フリマアプリが行き渡ってきた段階で、ユーザーがリユース店の身近さを感じてきている。即時で売りたかったり、実物を確認したい人は多い。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら