フリマアプリ浸透でリユース店舗が拡大する背景 物価高で節約志向に拍車、中古品売買が身近に

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トレジャー・ファクトリー店舗の外観
リユース大手のトレジャー・ファクトリーは1995年創業の老舗。国内外で220店を展開し、年間1010万点の買い取りを行っている(提供:トレジャーファクトリー)  

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リユース店が出店を拡大させている。物価高が「モノが売れない時代」に拍車をかける中、リユース業界が活況な背景とは。リユース大手、トレジャー・ファクトリーの野坂英吾社長に聞いた。

 

━━リユース市場が活況です。背景には何があるのでしょうか?

消費者の環境意識、サステナビリティ意識の高まりを感じている。若い世代は両親や祖母の服をリバイバル的なニーズで着ている。物があふれる中で、一点ものの価値を感じているし、資源を有効活用することもできる。年配層もリユースに親しみを持って使っていただくようになり、市場の広がりを実感している。

さらに円安や資源高が進む中で、人々の節約志向の意識が高まっている。サービスが充実したことで、身近にリユース品を売買できるようになったことも大きい。

新品と中古品は競合しない

━━給料が上がらない中で物価高が続き、新品を買えなくなった人がリユースに流れているのでは?

現在の活況を見る限り、その要素は大きくない。たとえば新品の家電にはさまざまな機能を付け加えているが、単機能で使いたい方もいる。新品がそのニーズに応えられなくなっており、シンプルで手頃なものが欲しい方々がリユース品を買っている。

新品と競合しているわけではなく、欲しいものは新品で明確にあって消費にメリハリが効いている。最新の家電にこだわりたい人もいるし、別のものが欲しいから家電は安くていいと考える人もいる。これまでの選択肢は新品で安いものが中心だったが、リユースへ裾野が広がり垣根がなくなってきた。

━━リユース市場はメルカリに代表される個人間取引が牽引してきました。足元はリアル店舗の出店が相次いでいますが、潮目が変わったのでしょうか?

世間ではメルカリなどの個人間取引が広がることで、来店客を奪われているイメージがあったようだが、実際は店舗拡大を続けてきた。個人間取引の拡大がリアル店舗にも派生し、来店が増えて既存店も伸びていた。今はある程度、フリマアプリが行き渡ってきた段階で、ユーザーがリユース店の身近さを感じてきている。即時で売りたかったり、実物を確認したい人は多い。

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