結果が出ない人に欠ける、たった1つの「思考法」 トヨタで大事にされている考え抜くスキル

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私は新入社員研修に登壇することもよくあるのですが、こうした苦い経験を踏まえ、努めてこの上司に一喝された話をするようにしています。

つい最近まで、テストで「私はわかっています」と証明すればそれでOKだった新入社員に、「そのマインドセットのままでは、かつての私のように早晩行き詰まります」と、身を削る想いで伝えているのです。

とにかくまずはやってみることの重要性

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そして、「私はわかってません、だからできません、やれなくても当然です」ではなく、「とにかくまずはやってみる、やってるうちにできてくるし、わかってくる」という「やるかどうか?」で働くことの重要性を説いています。

実際、この話についてはこれまで多くの若手ビジネスパーソンから、「目からウロコだった」「コペルニクス的転回とはまさにこのことだと感じた」「頭を殴られたような一生モノの衝撃でした」といったメッセージをもらい続けています。

ただ、くれぐれも誤解しないでください。このエピソードは若手向けの話なのかというと、決してそうではありません。

日々の業務遂行では「わかるか?」「できるか?」よりも「やるか?」を重視できている人も、学習や読書への姿勢となった瞬間、学生時代に逆戻りして「わかるか?」モード全開になってしまうのです。

だからこそ、ここまで読み進めてきたみなさんに、次の質問を最後に投げかけてみたいと思います。

ここまで「わかるかどうか?」をメインで読んでしまっていませんか?

浅田 すぐる 「1枚」ワークス代表取締役/作家 社会人教育のプロフェッショナル

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あさだ すぐる / Suguru Asada

名古屋市出身。旭丘高校、立命館大学卒。在学時はカナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学留学。トヨタ自動車入社後、海外営業部門に従事。米国勤務などを経験したのち、6年目で同社の企業ウェブサイト管理業務を担当。「伝わるサイト」へのカイゼンを実現し、企業サイトランキングで全業界を通じ日本一を獲得する。その後、日本最大のビジネススクールであるグロービスへの転職を経て、独立。

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