結果が出ない人に欠ける、たった1つの「思考法」 トヨタで大事にされている考え抜くスキル

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このような経験をしたとき、まず「わかるか?」が強い人は、当時の私と同じ思考回路だと思ってください。「わかるか、わからないか」がすべてに優先される判断基準となってしまっているため、わからなければ、それを何もやらない免罪符にしてしまうのです。

一方、「できるかどうか?」のタイプは、「できそうだったらやる」ので、行動につなげる意識や意志は比較的ある人たちとなります。ただ、「できそうだと思えなかったら、やらない」ため、ブレーキがかかりがちな点では「わかるか?」タイプと大差はありません。

最も行動量が多くなるのは、「やるかどうか?」です。

たとえよくわからなくても、たとえ実行できそうなイメージがわかなくても、「とりあえずやる」と決めて、何かしら行動しはじめる。1つひとつは些細なアクションに過ぎなくても、何もせずにふんぞり返るといったことだけは断じてやらない。これが、このタイプのビジネスパーソンの基本姿勢となります。

「わかるか」「できるか」「やれるかどうか」

「知行合一(知識と行為は一体であるということ。陽明学の学説)」でいえば、「わかるか?」タイプが「知のみ」で完結。「できるか?」タイプが「知→行」と捉えがちなのに対し、「やるか?」タイプは「知←行」となります。

「やるか?」タイプをより正確に書くと、「知⇆行」もしくは「知=行」といった認識で、じつはこれが、知行合一の本来の意味である「知と行は元々1つ」に近い捉え方です。

ちなみに、私は以前から、トヨタの強さの源泉を深く理解するうえで、もっというといわゆる「日本的経営」なるものへの認識を深めるうえで、知行合一などの概念を重視する「陽明学」が、よい補助線になると考えています。

もし興味があれば、『真説「陽明学」入門——黄金の国の人間学』(林田明大/ワニブックス)を参考になさってみてください。行動を起こすきっかけになるでしょう。

「やるかどうか?」の人に3つのタイプの類型話をすると、あっけにとられた表情で次のようなコメントが返ってきます。

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