結果が出ない人に欠ける、たった1つの「思考法」 トヨタで大事にされている考え抜くスキル

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「え、だってコツコツやってれば、そのうちできるようにも、わかるようにもなってくるじゃないですか」「むしろやらなきゃ理解は深まらないし、やってないうちから実行可能かどうかなんて、そもそも判断できないと思うのですが……」

こうあらためて書いてしまうと、まったくもってその通りであり、ぐうの音も出ないくらい正論です。

実際、「わかるか?」が強いタイプの人も、このコメントを見聞きすると「たしかに、その通りですね!」と納得はしてくれます。ですが、いかんせん「わかるか?」の人は「わかったらそれで満足」してしまうので、結局その後、少しだけやったらまた元通りというケースが大半なのです……。

問題の根は深いですが、何はともあれ、これで3タイプの概要はひと通り理解できたと思います。みなさん自身は、どのタイプが強いでしょうか?

とりあえず後回しになってしまう

こうした「こじらせた知行合一」で仕事をしていると、「わからないうちは何もやらない」働き方がデフォルトになってしまいます。わからないなりに、何かできそうなことを考えて行動に移していこうといった創意工夫の発想が希薄なため、ちょっとでも不明点があると「とりあえず後回し」にしてしまうのです。

ところが、ビジネスは学校のテストのように、問題も条件も解き方も答えも、何ひとつ一義的に定まるようには設計されていません。すなわち、「わからない」のほうが初期設定となります。

したがって、この姿勢で仕事をしていると、ほぼすべてのタスクが後回し扱いとなり、あっという間に収拾がつかなくなってしまうのです。

だからこそ、学生時代の生存戦略だった「わかるかどうか?」のノリだけで仕事をする状態からは、早急に脱出する必要があります。私の場合は、冒頭に紹介したエピソードで、上司に一喝されたことで、何とか初期段階で目を醒ますことができました。

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