日本人が知らない米国中間選挙の「ヤバイ展開」 次の大統領選を左右する「選挙否定派」の存在
11月8日にアメリカで行われる中間選挙では共和党が下院で過半数を奪還すると見られており、上院でも優位に立つ可能性がある。こうした事態は中間選挙ではめずらしいことではない。与党が下院の議席を減らすのは普通のことで、過半数を失う場合もあるのだ。
共和党優勢でアメリカ政府に起こること
「ねじれ議会」になるか、あるいは、共和党が上院・下院ともに完全に支配することになった場合、バイデン政権には行き詰まりが生じるだろう。政策については、債務上限の拡大を含む法案や予算は停滞する可能性が高い。ウクライナのほか、日本やNATOなどの同盟国への支援を行っているアメリカの安全保障政策に懐疑的な共和党議員たちが増える可能性もある。
バイデンの弾劾も検討されるかもしれない。弾劾となれば、435議席の下院が検察官役を務めて、例えば2021年の悲惨なアメリカ軍のアフガニスタン撤退などをめぐって訴追を行い、100議席の上院が裁判官の役割を担うことになる。ただ、そのような動きに現実的意味はない。大統領に有罪判決を下し罷免するには、上院の3分の2の賛成が必要だからだ。
世論調査は全体的に、今回の選挙ではインフレと経済が有権者の主な関心であることを示している。それに続くのが犯罪、人工妊娠中絶、民主主義への脅威(これは党によって定義が異なるが)となっている。
最初の3つのテーマは共和党にとって追い風だ。ABCニュース・イプソスが10月に実施した調査では、登録有権者の38%がインフレ対策については共和党の方が信頼できると回答しており、民主党と答えたのは21%だった。経済と犯罪に関しても同様の割合だ。
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