日本人が知らない米国中間選挙の「ヤバイ展開」 次の大統領選を左右する「選挙否定派」の存在

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もう1つのビッグレースは、カンザス州3区の連邦議会選だ。シャリス・デイビッズ氏が3期目を目指して2020年の対立候補と再戦する。その相手は、ミズーリ州カンザスシティの西にある裕福で教育水準の高い郊外を拠点とする共和党のアマンダ・アドキンス氏である。

アドキンス氏は、有権者が最も関心を示しているのはインフレと南部国境の管理であり、これらは中絶問題に勝りつつあるとしている。ヘルスケアIT企業の元幹部である同氏は、昨年に打ち出された1兆9000億ドル規模の新型コロナ経済刺激策に賛成票を投じたデイビッズ氏はインフレに加担したと主張している。

ある支持者の自宅にある車庫の前の私道で行われた小さな集会の後、デイビッズ氏はこう語った。「行く先々で一番の問題になっているのは何と言ってもインフレだ。この地区の平均的な家庭では、商品やサービスに年間およそ6000ドル(89万円)余分に支出していることになる。これは個人にとっても家庭にとっても大金だ」。

集会に参加していたマイケル・ウェルトンさんは、議会とバイデン政権がトランプ元大統領の捜査に関して行っていることや、政権の財政政策・エネルギー政策がおそろしいと語った。昨年の支持者によるアメリカ連邦議会議事堂襲撃事件などをめぐり、トランプとその同盟者、彼の不動産会社に対しては国や地方のレベルで数十の調査が行われている。

このレースは五分五分と見られていたが、ここ数週間はデイビッズ氏が優勢との見方が強まっている。同氏はテレビCMで、アドキンス氏のことを連邦レベルの中絶禁止の可能性と結びつけており、そのことがインパクトを与えているようだ。アドキンス氏は、中絶は州の問題に成ったと主張している。

州や地方議会選挙が大統領選の「カギ」握る

中間選挙というと、上院、下院議員選に関心が集まりがちだが、今回の選挙で本当に注目すべきは州や地方議会選挙だろう。連邦、州、地方のすべての選挙において勝者を最終決定するのは彼らだからだ。これには、最終的に大統領選において重要なカギを握る選挙人団の票の決定も含まれる(アメリカでは各州の人口などに基づいて「選挙人」が割り当てられており、大統領選では多くの州で一般投票の勝者に選挙人票の全数が与えられる。最終的に過半数の270人を超える選挙人を獲得した候補者が大統領選に勝利する)。

彼らはまた、投票の時期とやり方を決める。共和党は、不正を防止するためにより厳格な規則が必要だと主張し、有権者はもはや選挙を信用していないとしている。一方民主党は、そのような動きは民主党支持者、特にアフリカ系アメリカ人の投票を抑制しようとする試みだと主張するとともに、信用の低下は共和党が2020年の選挙の有効性を疑い続けてきたせいだとしている。

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