日本人はいつから「風呂」好き?知られざる歴史 江戸時代以前は湯につかる入浴はまれだった?
さて、同書のテーマの50年前、つまり1970年代になると、内風呂が普及する。日本独自のガス機器が進化をしたこと、郊外型の集合住宅が増加したこともあって、住宅の浴室設置率(内風呂化率)は1970年頃には約7割、1970年代半ばには約8割に達したという。
小型湯沸器の開発競争や住宅の近代化の影響もあって、1970年前後には全国で年間300万台以上の小型湯沸器が販売されるようになる。また、ガスコンロは1960年代後半には、全国で年間600万台以上が販売されるようになる。
浴槽も進化する。1964年の東京オリンピックに合わせてホテルが多く建設されたが、工期が短くて済む、壁面・天井・床・浴槽が一体化した「ユニットバス」が開発された。その後ユニットバスは、集合住宅用として普及していく。
さらに1970年代には、シャワー機能がBF風呂釜に付加されたり、屋外設置専用型のガス風呂釜が登場したり、ガス給湯機にAC100Vを使った電装化が進んだりと、さまざまな進化を遂げていく。
こうしたなか、優良な住宅部品の開発普及を目的に、ベターリビング(設立当時は財団法人住宅部品開発センター)による、「優良住宅部品認定(BL)制度」が創設される。ガス給湯機ユニットはこの制度の最初の認定品目の1つになる。
1980~1990年代はお湯の利用が拡大する
1980年代に入ると、お湯を大量に使うようになり、さらに進化をしていく。給湯能力の高い大型機器が開発されるが、集合住宅では省スペース化が求められた。電装技術の導入により、1980年には集合住宅のPS(パイプシャフト)内に設置するコンパクト型給湯機が開発される。
また、それまで風呂釜と給湯機は別々に進化してきたが、一体化が図られるようになり、風呂釜に給湯機能を加えた給湯機付き風呂釜へと進化をしていく。こうして、1980年代後半には大型給湯機が年間200万台出荷、風呂給湯機が年間100万台以上出荷されるようになる。
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