日本に多い「好きな事が見つけられない人」の盲点 自分の中に眠っている「好き」を発掘するには
これは本人にしかわからないことで、ただ楽しい、居心地がいいだけということでもないのですが、この響いている状態かどうかが、好きを育む「兆し」になると確信しています。
響きを確かめるには、何か行動するしかありません。事例で挙げたAさんも、実際に落語をやってみてわかったのです。きっと、最初のうちは予想通りいかないこともあったかもしれませんが、落語を通じて喜びを感じ、心が動き、響きがあったのではないでしょうか。
ジョージタウン大学のカル・ニューポート氏の調査によれば、「天職に着くことができた人の大半は、偶然の産物でなんとなくやっていたら楽しくなってきた」という結果があります。そして同時に、このプロセスには時間がかかるそうです。
皮肉なもので「効率的に好きを見つけて食べられるようにしよう」という思考が、一番非効率なのかもしれません。論理的に説明できない関心事こそ、育む価値があるかもしれません。
「好きなこと」を育むためのヒント
「好きなこと」を育むためにはさまざまな方法がありますが、ここでもいくつかご紹介したいと思います。
① 自分に問うてみる
好きの兆しをつかむのに役立ちそうな、私がよく使う問いがあります。それは、「人生で1つ、やり直したいことは?」という問いです。
この問いには、さまざまな答えが返ってきます。ギターを弾いてみたい、留学してみたい、好きな人に告白したかった。これを聞くだけでも好奇心がそそられますが、さらに面白いのは、その多くが、“今この瞬間に関心がある”ということなのです。
② 昔ハマっていたこと
社会人になると、お金やキャリアにならない、つまり生産的ではないことを理由に、好きだったことをやらなくなっていく傾向があります。ゲーム、スポーツ、ちょっとした趣味。過去に夢中になったこともきっかけになるかもしれません。
③ 今と違うコミュニティに飛び込む
同じコミュニティにいると、周りとの関係性で自分が固定化されやすくなります。私自身、コーチのコミュニティにいれば、自ずとコーチとしての自分が表に出ますし、経験豊富な人として扱われるようになります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら