沈黙する時間は、短いときはこのように3秒、長いときは30秒です。たとえ3秒でも、何も話さず黙っているのは怖いもの。慣れが必要です。周囲の雰囲気がざわざわし始め、あなたに一気に視線が集まっても、適切なタイミングまで黙ったまま耐えるのは簡単ではありません。勇気が必要です。
でも大丈夫、安心してください。声は発せず「黙って」いただきますが、そのほかの行動は行うことができます。黙って突っ立っているだけだからつらいのです。
黙ったまま水を飲む、黙ったまま資料を整える、黙ったままホワイトボードを消す、などといった行動は可能です。先にお伝えしたように、黙ったまま全体をなめ回すように相手を見る。黙ったまま「疑問」を持って相手を観察するのもよいでしょう。このようにほかの行動をすることで時間を短く感じ、しっかりと間をとることができます。
沈黙を挟むタイミングは「疑問形」に限りません。重要な話を言い切った後、あるいは重要な話の導入前に、わざと長い沈黙を挟みます。スピーチトレーニングでは、どこで沈黙を挟み込むかは、事前に決めておきます。
原稿を見ながら話せるときは、原稿にも「間」と書き込んでおきます。上級者であれば、その場の話の流れや、聞き手の反応を見ながら適宜黙ることができるようになります。
聞き手から拍手やかけ声が生じたら、収まるまで待つ
このように間をとって待っている時間に、拍手やかけ声などの反応が聞き手から返ってきたときは、3秒以上かかったとしても、収まるのを待ってください。
「私は確信しています。私たちなら絶対にやり遂げることができると。一緒に力を合わせて挑戦しようではありませんか」
こんなメッセージを伝え、聞き手から拍手が沸き起こる。せっかく場の雰囲気が盛り上がっているのに、十分に待たずに次の言葉を続けてしまう方がいます。もったいないことです。
拍手のなかで無理に声を張り上げて言葉を続けても、その発言はよく聞こえません。せっかく拍手していた聞き手も、どこでやめていいのか戸惑ってしまい、沸き起こっていた拍手もパラパラとまばらな弱々しいものになっていきます。
拍手が沸き起こったら、黙って拍手を全身で受け止め、鳴り止むまで全体を見回しながら間をとることが大切です。あまりにも長く続くときは、片手で制して話し始めればよいでしょう。
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