リーダーに一番必要な力は、言葉を使って人を動かす力です。たとえカリスマ性や自信がなくても、「リーダーの話し方」を習得することはできます。古今東西の優れたリーダーたちが実践している「秘伝のテクニック」とは?
『最強リーダーの「話す力」』では、NHKでキャスターとして活躍しながら大学院でスピーチ研究に取り組み、博士号を取得後、経営者や政治家などトップリーダーのトレーニングを行っている矢野香氏が、人を動かす「リーダーの話し方」を解説しています。
※本稿では同書より一部を抜粋しお届けします。
疑問形をうまく使って聞き手の関心を惹く
注目を集めるスキル:レトリカル・クエスチョンを投げかける
話の途中にうまく疑問形を使うと、相手の注目を集めることができます。聞き手は「答えはなんだろう?」と考え、こちらを見るからです。
△ 「今回の調査で、4人に1人のお客さまが何らかの不満を持っていることがわかりました」
○ 「今回の調査で、何らかの不満を持っているお客さまはどのくらいいたと思いますか?」
◎ 「『4人に1人』。今回の調査で出たこの数字は何を示しているでしょう? 答えは、何らかの不満を持っていたお客さまの数です」
○ 「今回の調査で、何らかの不満を持っているお客さまはどのくらいいたと思いますか?」
◎ 「『4人に1人』。今回の調査で出たこの数字は何を示しているでしょう? 答えは、何らかの不満を持っていたお客さまの数です」
このように、疑問形を使って問いかけることで、聞き手が主体的に考えをめぐらせるよう働きかけることができます。さらに、データや数字を疑問形にからめると、話がより具体的になります。
△ 「私たちは今年、前年比2割の営業増益を目指します」
○ 「私たちは今年、前年比2割の営業増益を目指します。皆さんがそのためにできることは何ですか?」
◎ 「私たちは今年、前年比2割の営業増益を目指します。あなたがそのためにできることは何ですか?」
○ 「私たちは今年、前年比2割の営業増益を目指します。皆さんがそのためにできることは何ですか?」
◎ 「私たちは今年、前年比2割の営業増益を目指します。あなたがそのためにできることは何ですか?」
さらに、「皆さん」ではなく「あなた」という言葉を用いると、聞き手は自分に向けて呼びかけられている気持ちになります。程良い緊張感が生まれ、より効果が高まります。
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