店や病院の「ごみ収集」知られざる過酷な現場 事業系産廃物の収集をしてみてわかったこと

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ごみ収集車

お店など事業者から出るごみを収集する収集車(筆者撮影)

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「ごみ」といえば、家庭から排出されるものを想像する人が多いだろう。しかし、ごみはそれのみでなく、事業から排出されるごみもある。環境省によると、2020年度の事業所から出る紙くず・生ごみなど事業系一般廃棄物(事業系一廃)の排出量は1165万トンであり、ごみ総排出量4167万トンの約4分の1にあたる。
このように事業系一廃は、相当の量が排出されているにもかかわらず、その収集の現場でどのような業務が行われているか、あまり知られていない。
そこで本稿では、知られざる事業系廃棄物の収集の実態について2回にわたって迫ってみたい。第1回は家庭ごみの収集と比較した違いに注目して業務の実態を説明し、第2回は現場に密着して見えてきた課題について紹介する。

収集車の色は指定されている!?

街を行く清掃車には、大きく分けて家庭ごみを収集するごみ収集車と、事業から排出されるごみを収集する事業系廃棄物収集業者のごみ収集車がある。それ以外にも、例えば造園業者が剪定枝などを運搬する際に利用する業務用の清掃車なども見かけられるが、ごみを収集しているわけではないので、今回は除外する。

(出所)東京二十三区清掃一部事務組合「ごみれぽ23 2021」、2020年、35頁に加筆

東京23区の場合は、どちらの清掃車なのかは直ぐに見分けがつく。運転席の部分が白色なのが、地方自治体の家庭ごみ収集車であり、それ以外の清掃車(例えば青一色)が事業系廃棄物処理業者の収集車だ。

ごみ収集車
(左)東京23区の家庭ごみ収集車(右)事業系廃棄物収集業者の収集車(筆者撮影)

事業系廃棄物収集のうち事業系一廃については、収集後は東京二十三区清掃一部事務組合の清掃工場に搬入する関係上、塗装については原則青一色と定められている。

一方、事業系産廃(プラスチック類、ペットボトル、缶など)の収集については、提携している中間処理業者に搬入するため、塗装については特に定められておらず、青色の清掃車をそのまま利用したり、独自のカラーの清掃車を使用して収集したりしている。

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