「とてもシンプルな方法で、これを毎日するだけでいい。(たとえば)ある俳優に『私は映画制作者です。低予算の映画を作っているんだけど、お客さんを呼ぶためにあなたの名前が欲しいんだ。
報酬はあまり高くないし、やることも多いと思うけど、もしよかったら参加してくれないか……』と言ったとしたら、それは自分のことしか考えていないのと同じだ。
(たぶんこんな答えが返ってくるだろう)『ノーだ。あっちに行ってくれ』。
これでは、自分は何をする、自分はどんなふうにする、としか言っていない。低予算の映画を撮っている、ってね。
だから何だって言うんだ? お金がないことしか伝えていない」
相手の立場で話しているか?
「私はいつも、理由(WHY)を伝えることにしている。俳優のところに行って(こう言う。)『あなたの演技が好きだ。大ファンだ。今までになかったような役を持ってきた。
私は自由で創造性豊かに行動するのが好きだから、映画会社とは契約していない。独立系だから、自分がボスになれる。私とスタッフだけ。とてもクリエイティブな現場だ。ほかの俳優仲間にも相談してほしい。きっと、いい経験だ、やってみろよ、って言うだろう』」
「元気になれるよ。撮影期間も短い。“マチェーテ”ではロバート・デ・ニーロの出演シーンを4日間で撮った。あなたも4日間だけ参加してくれればいい。あと6カ月は別の映画に出られるよ。たった4日間の撮影だけど、これまで経験したことがないほど楽しいはず。評判も上がると思う」
「『あなたは自由に演技をすればいい。そうしてほしいから。だから(WHY)あなたに頼んでいるんだ。どうしてそんなことができるかって? ほとんどの作業を自分でするから。スタッフは最小限の人数しかいない。みんながマルチタスクで仕事をこなす。予算は少ないけど、自由度は高い。
私は何をしているかって? 独立系の映画制作者なんだ。この映画に参加しないか?』
すると『イエス』という答えが返ってくるだろう。
相手の立場で、相手が何をできるか、どんなふうに満足できるかを説明しているからなんだ」
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