ティムから:誰もが陳腐な言い訳をする。起業家の世界では、「持っていない」リスト──資金がない、人脈がないなど──を書いて、自分の怠慢を正当化しようとする。
でも、資金がないことがかえって成功の重要な要因になるケースは多い。アリババ・グループの創設者ジャック・マーは、多額の純資産を有しているが、その成功の秘訣についてこんなことを話している。
「われわれが生き残ってきたのには3つの理由がある──資金がない、技術がない、計画がない。1ドルでも慎重に使ったんだ」
何事もうまくいかないのが仕事だ
「私が『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を作ったとき、特殊撮影チームが爆発の場面で火薬を使いすぎて、俳優たちが建物から逃げ出したんだ。映画の撮影中だよ。建物が燃え上がって、最後にはバーも燃えてしまった。
セットが炎に包まれた。これが最初の場面だった。ほかにもたくさんの場面を撮影しなければならなかった。でも、ほかの人たちは皆怖がり、プロダクション・デザイナーなんて泣いていた。スタッフの負担が増えてしまったから。
●まっ黒焦げだ。撮り続けよう
すると助監督がやってきて『私と同じことを考えているでしょう?』と聞いてきた。
そこで私は『ああ、このままでいいと思う。まっ黒焦げだ。撮り続けよう』と答えた。この“プレゼント”を使わない手はない。計画どおりにいくことなんてないんだから。
新しい映画制作者が自分たちの映画について『ちっともうまくいかない。がっかりだ』と言うのをよく耳にする。彼らは、仕事とはそういうものだ、ということに気づいていない。何事もうまくいかないのが仕事なんだ。
だから『さらに時間とお金をかけるんじゃなくて、それをポジティブに変えてもっとよくするにはどうしたらいいか?』と考える。 私はこういった経験が大好きだ」
●付和雷同するな
「多数派に簡単に従わない。わが道を行こう。大勢が一方に進んだら、自分は別の方向を目指そう。つまずくかもしれないが、誰も思いつかないアイデアに出くわすかもしれない……」
「新しい領域はこんなふうに切り開かれていくんだ。私はつねに、人と違う道を進んで成功を見つけてきた。あちら側は競争が激しかった。狭い扉をみんなが通ろうとしていたら、そこは避けるべきだ。
映画祭で『どうしたらブレイクできるか?』と聞かれると、こう答えるようにしている。『問題は、映画祭にいるということ。映画祭自体は何も悪くないけど、ここにいる人はみんな同じ扉を通ろうとしている。全員が通れるはずがない……』」
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