積水ハウス、消費増税後も最高益が続く理由 戸数で2位以下を引き離し、単価も上昇へ

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一方でロボットを導入するなど工場生産効率の改善を進め、構法の統一化による設計・施工面での効率も向上させている。さらに前期は400万点あった部材も約250万点にまで絞った。

ただ、消費税率10%の延期が決定される前に策定した中期経営計画をベースとしているだけに、各所にやや慎重すぎる面も散見される。それが特に表われているのが、営業利益の約5割を占める戸建て住宅の見通しだ。

会社の2015年度計画は保守的

2014年度は消費増税の駆け込み需要の反動で、同社の戸建て住宅建築(分譲含む)は前期比12.4%減の1万5266戸と大きく落ち込んだ。だが、2015年度もさらに9.1%減の1万3870戸にとどまるとの見方は保守的すぎる。

さらに戸建て住宅の平均単価は、2014年度は3565万円と前期比で115万円も上昇した。下期だけに限れば3630万円まで上がっており、この傾向は足元でも変わっておらず、2015年度はさらなる上昇が見込めそうだ。

新設住宅着工戸数に占める同社の建築戸数割合は、2012、2013年度の5.1%から2014年度には5.7%に上昇。2015年度にはさらなる上の5.9%を狙う。住団連などの見通しによれば、2015年度の住宅市場は全体で0.7%の縮小が見込まれている。その中で0.2%ポイントのシェアを上げるには同業他社からシェアを奪うしかない。

「弊社のシェアなど微々たるもの」(阿部俊則社長)といいながら、「おかげさまで3~4階建てが非常に好評で」との言葉の裏には秘かな自信も見え隠れする。慎重すぎる戸建て住宅見通しと相まって、2015年度の業績も前年度と同様、上振れして着地することになりそうだ。

筑紫 祐二 東洋経済 記者

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ちくし ゆうじ / Yuji Chikushi

住宅建設、セメント、ノンバンクなどを担当。「そのハラル大丈夫?」(週刊東洋経済eビジネス新書No.92)を執筆。

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