ゼネコンが自らの手で招いた「建設業の衰退」 外国人を入れても職人不足は解消に向かわず

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腕のいい職人が安定的に確保できなければ建設工事は進まない(写真:YNS/Imasia)

職人不足が常態化している建設業で、4月から日本での研修経験のある外国人技能労働者の受け入れが始まる。公共事業を中心に労務単価の見直しも進み、一時期ほど「職人不足が深刻化している」との声も聞かれなくなった。

ただ、これもゼネコン(総合建設会社)の生産調整と消費税増税による住宅着工の落ち込みが主な要因で、根本的な問題が解消されたわけではない。今後は「若年層の人材を確保・育成するための環境を業界全体で構築しないかぎり、建設業の衰退が避けられない」との声も建設業界内で聞かれる。はたして建設業は産業構造を変革し危機を乗り越えることができるのか。

日本人並みの給料を払えるか

「ベトナムなどを中心に、再び日本で働きたいという外国人技能者はかなりいる。『日本人並みの給料を払ってでも受け入れたい』という日本側のニーズが今後どれだけ増えるかだ」

技能実習生の受け入れ事業を行なっている、東京都内の協同組合の幹部は外国人就労者の拡大に期待する。

東京五輪が開催される2020年度までの緊急措置として、政府が導入を決めた外国人建設就労者の受け入れ事業は、2015年1月から日本側で受け入れる特定監理団体の申請受付が始まり、国土交通省では専任デスクを設置。2週間で数件の申請を受け付けたほか、申請準備のための問い合わせが相次いでいる。

現行の技能実習制度は、期間が最大3年。相手国の人材送り出し機関と業務提携した、日本の事業協同組合などが監理団体となり、技能実習生を紹介した受け入れ企業を指導・監査する仕組みだ。こうした監理団体は、全国に2000以上あり、うち建設関連は約400団体。過去に毎年約5000人の実習生を受け入れてきた。

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