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故人のデジタル再現はタブーか、それとも救いか 令和時代に「デジタル故人」がいるべき場所は

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『RE-END 死から問うテクノロジーと社会』(BNN)

だから尋ねてみた。姿形や考え方などが当たり前にデジタルで残るようになった世の中で、故人との向き合い方はどう変化するのか。

塚田さんは、デジタルで完結する向き合い方と従来の向き合い方の二方向性が強まるのではないかと言う。

「おそらくデジタルで育ちやすいのはファンカルチャーです。たとえばある有名人が亡くなったとき、ファンたちが自主的にヴァーチャル上で追悼イベントを行うなど、オンラインやヴァーチャルを使って何かしたいというアイデアは、故人とリアルでの対面が難しい人たちから生まれやすいし、求められるのではないかと思います。

逆に、家族や親族の死との向き合い方はそこまで進化しない気がします。遺体と対面しやすい人たちはわざわざ代替を求める必要がないのかもしれません」

クローズドかオープンか

実際のところ、不気味の谷現象(「人間の心理現象の1つで、ロボットなどの人工物の造形を人間の姿に近づけていくと、かなり似てきた段階で急激に強い違和感や嫌悪感が惹起される現象のこと」IT用語辞典 e-Words)はリアルの対象を深く理解しているほど起きやすい。そこを乗り越えてまで、デジタルを使った故人との対話を求める人は少数派のままなのかもしれない。遺族用ではなくて、ファン用のデジタル故人が普及する。その道筋もありそうだ。

デジタル故人はクローズドで生きるのか、オープンでこそ喜ばれるのか。人格再現よりも容姿や技能などの再生に留めたほうが人気は出るのか。そのあたりの答えがわかるのはずいぶんと先のことになりそうだ。

ただ、正当に評価される前にキワモノとして扱われて姿を消す未来だけは避けてほしい。小さな市場であってもずっと選択肢として残されるために、社会も広い度量で見つめてほしいし、サービスを提供する側も時代や状況にあった配慮を続けてほしい。

いつかその先の大きな発展をレポートできたら幸いだ。

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