「がんを告知された人」の苦痛を取り除く緩和ケア 「医療用麻薬」は“末期"に限らず使用できる

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緩和ケアのあり方も、時代に応じて変化してきていることはご存じですか(写真:Ushico/PIXTA)

医学の進歩によって悪性腫瘍(がん)や難病と闘うための治療の選択肢は日々増えつつあり、同時に疾患と付き合っていく年数が長くなる傾向にあります。その中で、緩和ケアという言葉が広く認知されるようになってきています。

緩和ケアは時代に応じて変化してる

「緩和ケア」と聞くと「がんの終末期に行われるもの」というイメージを持たれる方が多いですが、緩和ケアのあり方は時代に応じて変化してきており、現在はあくまで心身の苦痛を和らげることを目標に、病気の進行具合や重症度にかかわらず、患者本人と家族のケアのために行われる医療のことを指します。特に、がんについては「包括的がん医療モデル」という、がんの診断時から治療と緩和ケアを並行して医療提供をすることがすすめられています。近年は心不全等にも緩和ケアをすすめる動きが出てきていますが、今回はがんにフォーカスしてお伝えしたいと思います。

がんにかかった人が苦しい、つらいと感じるとき、その苦痛は人それぞれです。身体の痛みそのものが苦しいと感じる方もいれば、死への恐怖から心のつらさを感じる方もいます。治療が長引けば社会復帰への不安や、金銭面の心配を訴える方もいます。このように、さまざまな要因が組み合わされたヒトの苦痛はトータルペイン(全人的苦痛)と呼ばれ、大きく以下の4つに分けられます。

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